代表メッセージ

子どもたちがありのままの自分を大切にできるように。

当団体は2018年に始まったばかりの小さな非営利団体です。主な活動として空き家を借用し、毎週「木曜日の居場所」を開いています。 
 
子育てにしんどさを感じているお母さん、学校に行きづらいお子さんなどが、それぞれに思い思いの時間を過ごす場所です。その時々によりますが、1回の開催で3人~10人程の参加者が集い、ゆるゆるとやっています。子どもや若者とそのご家族がホッとでき、一人ひとりが自分らしくいられ、みんなでつながれる居場所作りを目指しています。

「木曜日の居場所」では、「気兼ねなく、自分らしくいられる居場所」を目指しています。いろいろな物差しで計られることのない、誰も排除しない・されない場所です。
 
個性や特性、癖やこだわりなどの違いを持ちよって、その時その場を共有します。そして、困ったら一緒に考える。すぐに解決できなくても、共感して寄りそうことはできると思うのです。 
 
何を発信しても、何かに対してNOと言っても、まずは発信したことも、「NO」と言ったことも肯定される、安心できる居場所づくりを心掛けています。 

 安心して過ごす中で、子どもたちは他者への信頼を獲得し、自分は自分のままでいいと学び、本能が安心すれば、どんな子も必ず!絶対!変化していきます。

 そうして子どもたちは自分から、見事なまでに前に進み始めます。また、一人ひとりが大切にされることで、相手を大切にできることを学ぶ場になればと考えています。

ただ、歩み始める時間は、一人ひとり違います。私たち大人が一人ひとり違うように。
 
居場所は次へのステップのための通過点。子どもの成長を近視眼的に捉えるのではなく、待ちながら機を見てアプローチするようにしています。 
 
アプローチしてもダメな時もあります。それでも、子どもは必ず変わると信じて待つ。この場所は、トライ&エラーをくり返せる「失敗ができる場所」でもありたいと考えています。 
 
大人が一人で待つことが大変なときは、仲間と共に「待つ」。我が子の良い面を周りの人から認めてもらいながら、みんなで支え合って「待つ」。
 
大人の参加も歓迎しています。大人の方には、活動のお手伝いをお願いしています。子どもも大人も一緒にみんなで過ごし、関わり合い、育ち合う場所。共に食卓を囲み、誰かと遊び、話したり、一人で工作や勉強をしたり…誰もが思い思いに過ごしています。
 
人と交流しても、しなくてもいい。自分らしくが一番!「ありのままの自分」を大切にできる居場所づくりをしています。

設立の経緯

団体が法人化する前、ある一人の子どもと出会いました。 真ん丸でまっすぐな目をしたお子さんでしたが、それまで虐待を受けてきた後遺症と思われる影響で、激しい逸脱行動を起こしていました。

その結果、ある施設から「子ども一人では来ないでください」と言い渡されました。 本来であれば子どもを守るべき施設が、来ないでくださいと言わなければいけない事態に、一体何が起こっているのだろう…と、とてもショックを受けました。そう言い渡さなければならない職員さんも、辛かったと思います。 

そうして私たちと一緒に遊ぶようになったある日、その子のささやかな誕生日会をしました。ロウソクが立てられた苺と生クリームの丸いケーキを、その子は不思議そうに眺めています。みんなでハッピーバースデーの歌を歌い終わっても、じっとケーキを見つめたまま。

「ロウソクの火を消すんよ~」とみんなに促されるまで動かなかったその子を見て、これまで誕生日会をしてもらった経験がないのだと気がつきました。

その子は小豆島で暮らしたいという希望を持ちましたが、結局、島を去ることになりました。

島で暮らしたいと願った子どもが、どうして出ていかなければいけなかったのか。なぜ、たった一人の子どもの小さな願いが叶わなかったのか…。今も思い出す度に、申し訳ない気持ちでいっぱいになります。誰も悪くないのに、その子も、その子を支えてくれた地域の人たちも傷ついた経験でした。

世間では「虐待」と称して、保護者を非難する風潮もありますが、自分が受けてきたしつけを良かれと思って子どもに行っている場合も多いです。そのお子さんの場合も、救われるべきは、親御さんの子ども時代だったのではないかと思います。

「負の連鎖」を感じながら、何もしないわけにはいきません。子どもたちの笑顔のために、できることがたくさんある。「子どものために動ける応援団」を作る必要があると確信しました。小さくても大きくても、弱くても強くても、障害があってもなくても、誰もが排除されない、子どもなら誰でも参加できる「遊ぼう会」と称した集まりを2018年2月にスタートさせました。 

この「遊ぼう会」が「小豆島子ども・若者支援機構」の原点となり、現在の「居場所」をメインにした活動につながっています。